今週のTOPIC「車庫のサイズを確認しよう!」
ここ数年は若者の車離れなどが進み、
都市部では車を所有しない世帯も増えているようですが、
新居を購入して落ち着いたら次は自動車、
という人も多いでしょう。
ところが、
十分な車庫サイズがないために
自分が乗りたい車を買うことができなかったり、
使い勝手が悪かったりすることも
少なくありません。
都心部に近いエリアの建売住宅などの場合には、
「車庫付」あるいは「カーポート付」
となっていても、
一般的なものより小さめのスペースしかないこともあります。
今回は、
実際に自動車の車庫として
どれくらいの広さが必要なのかをお伝えします。
◆必要最低限の車庫サイズは?
スーパーなどでは簡単にできる車庫入れが
自宅だと意外と難しいと
思ったことはありませんか。
もちろん車のサイズだけでなく、
運転をする個人の技量に
左右される部分も多いのですが、
自宅車庫からの出し入れで
たびたび失敗していては、
たとえそれをカバーする保険に
入っていたとしても
大きな負担増は免れません。
極端に考えれば、
少しぐらい価格が高くても
車庫が広い家を買ったほうが、
結果的には安上がり
なんてこともあり得るでしょう。
それでは、
必要最低限の車庫のサイズは
いったいどれくらいでしょうか。
財団法人駐車場整備推進機構から
公表されている資料をみると、
一戸建て住宅において
1台の駐車に最低必要なスペース
(前面道路に対して直角方向に駐車する場合)
は、小型自動車の場合に
長さ5.0m×幅2.6m、
軽自動車なら
4.0m×2.2m、
普通自動車(大型)なら
5.9m×2.9m
とされています。
また、
建築士などの常識でいうと
設計上の最低ラインとして
5.0m×2.5m程度を
考えているとのことですが、
実際にはそれに満たない
車庫サイズの建売住宅なども
少なくないようです。
次第に軽自動車や
コンパクトサイズの車の
シェアが高まってきているようですから、
今もこれから先も
「小さい車にしか乗らない」
という人であれば、
それで十分かもしれません。
しかし、
車庫があまりにも小さいと
将来的に中古住宅として売ろうとしたとき、
ニーズが少なくなりかねないことには
気を付けなければなりません。
◆車のサイズによる考え方
軽自動車のサイズは、
ほぼ似通っているものの、
小型自動車(2000cc以下)や
普通自動車のサイズは、
かなり違っているのが実情です。
たとえば、
同じ小型車クラスのサイズを比べた場合でも、
トヨタのプリウスは
全長4540mm×全幅1760mm、
日産のノートは
4100mm×1695mm、
ホンダのフィットは
3955mm×1695mmなど
となっています。
いま実際に乗っている車、
あるいは将来乗りたい車の
サイズを考えることも必要ですが、
一般的には
車の全長に80cmを加えた奥行き、
車の全幅に130cmか110cmを加えた幅が、
車庫の最小限の広さとされています。
そうすると、
上の駐車場整備推進機構による
「最低必要なスペース」ぎりぎりでは、
ちょっと厳しいケースも多いでしょう。
さらに車を2台、3台と
駐車したい場合であれば、
それなりの車庫幅が
必要になるということになります。
◆法定の車庫サイズはありません
車庫のサイズについて
法律の規定はありませんが、
国土交通省による
標準駐車場条例
(一定規模以上の建築物の
駐車施設について定めたもの)では、
「駐車台数1台につき
幅2.3m以上、奥行5m以上」
をモデルとしています。
ちなみに、
車いす利用者のための駐車施設は
「幅3.5m以上、奥行6m以上」です。
また、
スペース内にきちんと車を停められ、
乗り降りに支障がなければ
車庫証明も取得できるため、
かなりぎりぎりのサイズでも
問題はないとされます。
しかし、
実際の運用にあたっては
申請先の警察署によって違いもあるようです。
少しはみ出していても
まったく問題がなかったという
事例がある一方で、
東京都新宿区では、
奥行が5cm足りないという理由で
車庫証明を取得できなかった事例があります。
◆前面道路の幅も問題!
先ほどお伝えした
財団法人駐車場整備推進機構による
「最低必要なスペース」は、
実は前面道路の幅員が
6m以上の場合を想定したものです。
これが4mの場合なら、
車庫の幅はさらに60cmほど
広く考えることが必要です。
前面道路の幅が4m未満の場合なら、
もっと余裕をみなければなりません。
さらに、
それぞれの車がもつ
「最小回転半径」の性能も問題です。
前面道路の幅が狭く、
車庫の幅も狭く、
最小回転半径が大きければ、
何度も切り返さなければ
車の出し入れができないことに
なってしまいます。
このようなとき、車庫の一角に
すみ切りを設けておけば、
車庫の幅の狭さを
少しだけカバーできる場合もあります。
また、
変形した敷地や
車庫の出入口に傾斜がある敷地など、
もともと車の出し入れに慣れが必要な場合は、
少しでも車庫の幅に余裕が欲しいところです。
道路に立っている電柱が
邪魔になる場合も同様でしょう。
◆自転車のことも考えて
家族が使う自転車やバイクがある場合には、
車庫とは別に専用のスペースを
設けることが理想ですが、
現実にはなかなかそうもいきません。
自転車1台で1m×2mのスペースが必要とされていますので、
車庫の片隅に自転車などを置くつもりなら、
そのぶんの余裕があるのかどうかについても
しっかりと確認しておきましょう。
原付などではなく、
大きめのバイクのときには、
もちろんそれなりのスペースが必要です。
適正な車庫のサイズにして、
余裕をもって車庫入れしましょう。
それでは、また!!