今週のTOPIC 「庭づくりとプランニング」
マイホームを持ったから、ほったらかしで殺風景だから……、
庭を作ろうと思い立つ理由は人それぞれでしょう。
でも、誰しも目指すところは、より素敵な庭であり
家族が憩える快適な庭ではないでしょうか。
そこで今回は、庭づくりの流れをお伝えします。
◆庭づくりの前に🌸
人が何か物事をはじめるに際にその行動は、
「まずは形から」と道具一式を揃えてからスタートするタイプと、
「実践あるのみ」といきなり飛び込むタイプ、
そして「道具も実践も熟慮を重ねてから」という慎重なタイプと、
大きく分けてこの3パターンがあるかと思います。
さて庭づくりの場合はというと、できればよく考えてから
スタートするべきでしょう。
庭木ひとつを例にとってみても、
一度植えてしまった後では家具のように
「やっぱりこっちの方がよかったわ」と、簡単に移動できないからです。
植物は植替えれば根が傷みますし、置き場所を変えればストレスを感じます。
庭づくりは、そういう生き物を扱うのだということを認識する必要があります。
◆庭づくりの流れ
庭づくりをすべて自分で行うにせよ業者に依頼するにせよ、
行程において大差なく、その流れは下記のようになります。
1.イメージを固める
2.現状把握をする
3.プランニングシートを作る
4.資材を揃えて実践
それでは、各工程についてその詳細をお伝えします。
●1.イメージを固める
自分や家族がどのような庭を望んでいるのかを話し合い、
そのイメージを明確にしていく作業です。
この作業では、自分一人だけでなく庭を共有する家族からも
できるだけたくさんの意見や希望を集めておきましょう。
一人で突っ走ってしまうと、庭木を植えたいと思っていた場所が
家事動線にかかっていたなど、単純なミスに気づかない場合があるからです。
物置や自転車を置く場所など些細なことでも、
後の「しまった!」を防ぐためには
プランを別の目で確認してもらうことが肝心です。
●2.現状把握をする
庭の広さはどのくらいか、
実際に植栽できるスペースはどこかを実際に計測し確認する作業てす。
既存の植物や構造物がある場合には、それらのサイズも計測して
「現況図」を作っておきます。
一戸建ての方は、おそらく土地と建物の図面をお持ちでしょう。
その図面の中に「配置図(土地に対する建物の配置平面図)」
というのがあるはずです。
これをコピーすれば、現況図として便利に使えます。
平面図がない場合は、方眼紙などを利用して
簡単な図面を作っておきましょう。
現況図には庭の方位や庭のサイズ
(縦○m×横○m)を書き込んだり、
日当たりの有無、土壌の具合なども書き込んでいきます。
ベランダなどでも縦横のスペース、
避難路として確保しなければならないスペースを
書き出し、どこが庭として使えるのかを割り出していきます。
●3.プランニングシートを作る
1.と2.を踏まえて、具体的なプランをまとめていく作業です。
2.で作った現況図に、
木を植える場所や花壇の場所などを配置していくのです。
このとき余白に植えたい木の名前を記入したり、
置きたいガーデンファニチャーの写真を
貼付けるなどすると、よりわかりやすいものになるでしょう。
また玄関から庭へ、道路から庭へ、
リビングや勝手口から……など、
庭へのあらゆるアプローチ(動線)も書き入れておきましょう。
洗濯干しやゴミ出しなど、
家事の際に必ず通るところ(家事動線)も
忘れずに書きこみます。
なお専門業者では、施主の意向を盛り込んだ
プランニングシートとともに完成予想のイメージ図や
3DCADで作成したCGなどを提示してプレゼンテーションする場合が多いようです。
●4.資材を揃えて実践
具体的なプランが決まったら、
庭づくりに必要な資材や道具を準備して作業がスタートとなります。
業者に依頼した場合は限られた日数で一気に進みますが、
自分で作業する場合は行程を段階ごとに区切って
少しずつ進めていくことになります。
例えば、日向には花壇を設置しリビングに面して
ウッドデッキを作成するプランの場合、
一度にすべての資材を揃えてしまうと
置き場所ばかりか作業スペースが取れなくなることも考えられます。
どれを先に着手するのか優先順位を決めて、
資材も作業する範囲の分だけ揃えていくとよいでしょう。
◆庭づくりのコツ
植えたい木や育ててみたい草花はあるのだけれど、
庭全体のイメージとなると何だかフワフワしていて
定まらないという方も多いと思います。
そんな時は素敵な庭の写真がたくさん掲載された
ガーデニング雑誌や、施工例のあるホームページなどが参考になります。
雑木を入れたナチュラルな庭、昔ながらの和風の庭、
和洋折衷のモダンな庭など、庭のスタイルも様々です。
たくさんの事例を見ていると、「これは好みだな」とか、
「これはあまり好きじゃないな」といったものがわかってくるはずです。
平面図にあれこれとプランを書き入れてみても、
結果がどのようになるのかをつかみきれないかもしれません。
庭づくりをシミュレーションできる
パソコンソフトもありますが、一般的とは言えないでしょう。
個人でも簡単にできあがりをイメージする方法としては、
箱庭を作ってみることをお薦めします。
材料は、家庭にあるもので大丈夫です。
平面から立体になることで、プランに実感がわいてきます。
庭づくりは1日にして成らず、
そこがまたガーデニングの醍醐味でもあります。
自分とご家族の理想郷をめざして、じっくりコツコツといきましょう!
それでは、また!!